秘/恋
「もうちょっと、
なんとかする気はない?」
「俺がなんとかするより
明姫がやる方が早いだろ」
「……ワザとなの?!」
あたしが目を吊り上げても
明良はしれっとした顔。
逆にしんとした瞳で見返されると
息苦しくなって
目をそらさずにはいられない。
視線が逃げれば
その逃げに苛立つ明良を余計、
肌で感じてしまう。
――なんで、
こんな風になっちゃったんだろう。
近頃、
日に一回ペースで
ぐるぐる繰り返す問い。