秘/恋
……よん……
食事当番が明良なら
片付け当番は明姫の方。
高校に入学したとき
じいさまと明良と、
三人で決めた約束。
明良はふくれっつらで
あたしは大人になった気がして
ちょっと誇らしかった。
『私もいついなくなるか
わからないから』
そんなじいさまの飄々としたセリフに
背筋がひんやり、冷たくなりもしたけれど。
じいさまと話していると
ときどき
さびしくなる。
あたしよりも長く生きているじいさまは
たぶん、
あたしと見えているもの
見たいものが違うんだ。
そのギャップはときに
あたしをひどく
いたたまれない気持ちにする。