秘/恋
……はち……
暗い空に、ささやかな星。
ぽっかり空いた穴みたいに、白い月が浮かんでる。
少し強い風に目を細めながら、あたしは、そこに当たり前みたいに立っている人影を見つめる。
驚きなんてしなかった。
こころは、そよがない。
だって、わかってたから。
じいさまの呪いは別にしたって、あたしたちはやっぱり、つながってる。
あたしと、
改まったジャケットを着て、すっとたたずむ少年。
――明良は。