秘/恋
……ひとつ……
一年生の間では有名な、金髪アタマ。
三荻樹也と話をしたのは、三回だけだった。
三回とも短く、話したいこと全部きちんと話しきれた気がしない。
逆に、不意打ちで脇から殴り倒されて、ヤリ逃げされたみたいな、妙な悔しさばかりが残っている。
そもそも、俺は、デフォルトでヤツが嫌いだった。
ナチュラルに明姫の隣にいられる男なんか、死ねばいい。
それが俺にとって、当たり前の感情だから。