秘/恋
……ふたつ……
樹也との二度目のコンタクトは、
ドン底の気分。
ドン底のシチュエーションだった。
ぱちん、ぱちん、と規則正しい音が、手元で響く。
何枚かのプリントをそろえて、折って、ホチキスで留める。
暗くなりかけた生徒会室で、俺は、単調な作業を繰り返していた。
角をそろえる。
折る。
ホチキス。
角をそろえる。
折る。
ホチキス。
無限に思えるスパイラル。
ぼんやりとしたアタマには、その単調さが救いだった。
ぱちん、ぱちんという音の狭間で思い出すのは、つい数十分前に目にした光景。
樹也の背中に回された、明姫のか細い指。