秘/恋
すっぽり
あたしの身体は
明良の腕のなかに収まった。
まるで明良が
あたしのためにあつらえられた
あたしのためのもの、みたいに。
押しつけられた明良の胸の奥。
あたしとおなじ早さの鼓動が
聴こえる。
あんなにうるさかった明良は
なにも云わない。
あたしも、
なにも云えない。
――ダメだ。
誰かが、警告している。
これ以上踏み込んでは、
ダメだって。
でも
この先には
なにがあるの?
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