秘/恋


一方、なぎはうきうきと、
携帯電話をもてあそんでいる。

余裕綽々。


「おーい、なぎさーん。
……ホント、なんなの?」

ちょっとイラッとしながら
もう一度、訊く。

逆になぎはと云えば
『いいコト思い付きました』
と云わんばかり。

派手に目を、
きらきらさせている。


「試してみようよ、あきちん」

「……いちごみるく飲み比べ大会?」

「うん、それもだけど」


状況が全然つかめないあたしに
なぎは目を細めた。


「他のものと並べて、
比べてみたらわかるってコト。

カフェラテだけじゃなくて
いちごみるくだけじゃなくて
あると思うのよ」



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