秘/恋



「どうすんの?」


頭のなかで繰り返していた言葉を
あたしの手をつかんで樹也は云う。

かたちばかりは、疑問型。

でも、
あからさまにはっきりと
別の意思がこもっている感じ。


『やめちまうの?』

『やめちまいたいワケじゃないだろ?』


――『このままじゃイヤなんだろ』って。


挑発されているのか。

そそのかされているのか。


あたしは、奥歯をかみ締めた。


「やめない。続ける」


呟いて、
あたしの方から
樹也の手を握り返した。



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