秘/恋
……にい……



門限ギリギリの、午後七時。


鞄のない空いた手を絡めて
樹也はあたしを
家まで送ってくれた。

彼氏彼女なら手をつなぐものだって
決めつけられてしまえば。

指を絡めることに抵抗は
ほとんどなくなった。

その代わり驚くほど、
ときめきなるものもない。


ただの、
なまぬるい肌と肌の接触。



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