秘/恋
「バカップルがしてる、うっとうしいヤツ一式。
そういうの、ひとつひとつ確かめて、こなしていくのも面白いと思うぜ。
いわば、【客観的恋人学】って感じか?」
「……バカにしながら、バカになって、バカを分析したいって云っているの?」
テーマパークのアトラクションでも愉しむような軽さが癪で、あたしは突っ掛かった。
完璧な八つ当たり。
実があろうがなかろうが、誰かを怒鳴りたい気分だった。
「あいにく、あたしもそんなにお利口さんじゃないわ。
他に当たって」
「違う。心底バカになりたいって云ってんの。
……リアルには無理そうだから」
ひょい、と手をすくわれて。
あっという間に
あたしは樹也と
おててつないで仲良くご登校の図。
「俺たち、オツキアイしてんだろ? なら.付き合えよ、明姫」