秘/恋



「さすがシンセキ。樹也は、突き抜けてなぎに似てる」

「そうか?」


樹也は怪訝な顔。


「やぁだ。
樹也と似てるなんて、ナニかが終わってる気がする」


一方なぎは、
ひどいコトを云いながら、
優しい瞳を向けてくれる。

あたしの気持ちなんて、
なぎにはバレバレなんだろう。


――あたし、たぶんこのコを好きになる。なれる。


そんな、ささやかな予感さえ。


「樹也……」


意味もなく呼びたくなって
ヒヨコ頭の彼の名前を口走った。


その、とき。


「……ッ」


あたしが見つけたのは、
この世でいちばん見たくない
一場面。



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