秘/恋
あたしは、樹也が好きだ。
傍にいても寝こけられるくらい、リラックスできる貴重な存在。
いまでは、金パツの威圧感も気にならない。
――だけど。
好きになればなるだけ、わかる。
樹也と明良は、違う。
心の置き場所が、違う。
だから、キスをすればするだけ、さびしくなる。
だから、あの場所で眠ることができても、
服を脱ぐことは、できない。
一年くらいじゃ、
あたしは
なにひとつ、
変われなかった。