先輩、気付いて下さい。
「結衣はさ…」

突然愛依が切り出す。

「追う恋と追われる恋、
 どっちが幸せだと思う?」

愛依の質問が想像していたものとは
全く違ったのでポカンとしてしまった。
にも関わらず愛依は続ける。

「私ね、昔すっごく好きな人がいたの。
 今の結衣みたいに。
 彼しか見えない~!みたいな。」

そうなんだ…
知らなかった…。

「だけどね、結局その人は私じゃない
 別の人を選んで
 淡い恋は散ってしまったのだよ。」
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