先輩、気付いて下さい。

新事実。
そんなの聞いたことなかった。

それを聞いて
さっきまでの態度に少し納得したけど

「あと、私も昔はあんな感じだったからね。」

「ん…？」
「ん…？」

私の困惑の表情に
同じように返す愛依。

「ん…？」

理解に苦しみもう一度聞く。

すると『あっ！』と分かったような顔をして


「私、実は元ヤンなの。
　黙っててごめんね？」

ペロっと舌を出して
いたずらっ子みたいに謝る愛依に
そんな面影は見えなかったけど
さっきの状況と重ねると納得せざるを得なかった。