先輩、気付いて下さい。
うぬぼれではないけど
涼太先輩が2年生の教室に
姿を見せるのは、
私に用事がある時だけだ。


「結衣ちゃん。」


ほら、一直線に来た。
別れた後にもこうして
涼太先輩が私の元へやってくるので
陰口は絶えないけど、もう慣れた。


「どうしました?」

早速本題に入ることにした。


「雄哉がさ、風邪ひいて
 休んでるんだよ。」

…風邪?
ってそれ絶対昨日のが原因じゃん…。


「水浴びて、そのまま外で寝たらしい。」

マジで救いようのない
バカだよな~
と笑っている。
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