先輩、気付いて下さい。
でも…

「雄哉先輩、顔真っ赤…。」

私に負けないくらい
耳まで赤くした雄哉先輩がいた。


「…っな!見るなよ!」

顔を背けてしまったけど
横から見える耳はいまだに赤い。


こんな反応…。
期待しちゃう。


「雄哉せんぱ…」

名前を呼びかけたけど、
傘を持っているのとは逆の手が
私の頭を優しく撫でたから
言葉が詰まってしまった。


「結衣が素直なのは、反則。」


これは褒め言葉でしょうか?
見るからに照れている雄哉先輩から
反則って。
少しはドキッとしてくれたって事だよね?
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