先輩、気付いて下さい。
雄哉先輩は
私が濡れないように
傘を私寄りにさしてくれている。
そのせいで先輩の左肩は
雨で制服が纏わりついていた。


「雄哉先輩、濡れてるじゃないですか。
私、大丈夫なんで
もう少し自分の方にさしてください。」


そう言っても


「俺はいーの。
結衣は女の子でしょ。」


って。
先輩は私をちゃんと
女の子として見てくれている。
それに喜びを感じながらも
やっぱり濡らしてしまった肩が
気になって


「でも…」「いーーの!!」

私が何か喋ろうとしたのを察したのか
遮られてしまったので
大人しく甘えることにした。


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