先輩、気付いて下さい。
「な、なんも言ってねーよ。」


動揺してるようにも
感じたけど
先輩の耳を抑える手に
少し力が入ったので
それ以上聞くのは辞めた。







この時の私は、下を向いて
耳を抑えられていたから知らない。


雄哉先輩が真っ赤な顔で
『かわいーな』
そう呟いていたことを。
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