先輩、気付いて下さい。
「なんかさぁ…」

声のトーンを落とした愛依が


「蒼空君て、結衣に気があるんじゃない?」


…突然何を言うと思ったらそれ?


「いや、ないでしょ絶対。」


断言できる。
クラスは同じだけど
話した事なんてほとんどないし。


「あれだけ選び放題の
蒼空君が私なんかには
目もくれないでしょ。
私を選ぶほど目は腐ってない。」


淡々と述べる私に対して


「はぁ…」


とわざとらしくため息をつかれた。



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