先輩、気付いて下さい。
もちろん…


「お願いします…!」


涙でぐちゃぐちゃな私の顔を
胸元に引き寄せて
優しく抱きしめられた。


と、同時に


「わーーーーー!!」
「おめでとうー!!」
「かっこいいーー!」

様々な声が飛び交ってきて
ここがステージ上だという事を
思い出して急に恥ずかしくなった。

ゆっくりと先輩から離れ
顔を見上げると
ふわっと柔らかい笑みを浮かべていた。


見つめあったまま
雄哉先輩が私の頬を
両手で優しく包み込む。
< 255 / 266 >

この作品をシェア

pagetop