先輩、気付いて下さい。
「結衣までそんな事言うなよ!
 みんな俺の事
 見捨てるのか!」

腕で顔を隠すようにして
泣く真似をしている。

その様子に

「…っは!」

耐え切れず吹出した。

横を見ると涼太先輩も
同じように笑っていた。

「ほんとお前バカだな。
 ほら、帰るぞ~」

涼太先輩が鞄を持って
教室を出ようとしたので
私も雄哉先輩もそれに続く。

最寄りの駅まで
3人で帰るのが日課になっていた。
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