once again
診察室を出る時、陽さんに、悠貴には黙ってるから、いい機会だし帰ってみたら?と言われた。

私は黙って頷いて、診察室を後にした。

室長に車に乗せてもらって、会社に戻って行った。

途中、会社への道ではない事に気がついた。

「室長、どこへ行かれるんですか?会社への道じゃないですよね」

「君の家に向かってる」

「え、会社に戻って下さい」

「戻らない。言われただろう?休めと。蓮には俺から10日間休むと伝える。これは上司命令だ、分かったね?」

前を向いて、運転しながら話をする室長に、ただ頷くしかなかった。

程なくして、マンションに到着した。
私はここからは、一人で大丈夫だと、室長が送ると言う言葉を強引に押し切って、車を降りた。

陽さんが思った程、強くテーピングしてくれていたお陰で、一人で歩けていた。
室長も、専務との事で後ろめたさがあるのが、それ以上は追ってこなかった。
部屋に入り、荷物を置いてそのままベッドに倒れこんだ。

♪♪♪♪♪♪♪

いつの間にか寝ていたみたい…
私はかかってきた電話で、起こされた。
あ、痛っ…
右足に痛みが走った。
そこで病院から帰ってきて、そのまま寝ていた事に気がついた。
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