once again
それから数日、何も考えず過ごしていた。
室長からは、専務には10日間休む事となぜこうなった事を報告した、と。私への連絡は、室長を通してすると念を押したからかかってくる事はない、と。わざわざ報告があった。
相変わらずの人だな、と思った。
そこまで言わなくても、私から専務に連絡なんて入れる事なんてないのに…
足の腫れは引いたけど、自分の気持ちには引きが見えないのが現実だった。
はぁ。陽さんが言ったみたいに、家に帰ろうかな…
10日間の休みが、こんなにも長いとは思わなかった。
時々、美玲が人事部で仕入れしてきた話では、秘書課がとんでもないことになってるらしい、今回の私の怪我でそ怒った専務が、乾志保と新家亜都子を秘書課から異動させたと。そして、周りで見ていて笑っていた人達も、処罰を受けたと。
なかなかやるじゃない、専務もって美玲は言ってたけれど、そんな事をして秘書課大丈夫なのか?と心配してしまう私は人が良すぎるんだろうか。専務が私の事を気にしてくれた事を喜んでいいんだろうか…。
専務…
夏帆さんと、会ってるんだろうか…。
本当になかった事になってるのかな。
また迷路にはまりかけていた。
♪♪♪♪♪♪♪
ディスプレイを見て、携帯を持つ手が震えた。
「如月専務」
と、表示されていた。