once again
なんとか、1日を乗り切った。

専務と会社に戻ってから、仕事をこなしたけれど、室長の態度が気になっていた。
いつもは、冷静沈着な室長のあの態度に。
やっぱり、専務がらみで何かあったんじゃ…
気になった私は室長のスケジュールを確認した。

「あ、今日は社長と…直帰か」

もう会社にいない事を知った。
明日でもいいか、落ち着いて考えよう、そう思った。そして帰る支度を始めた。

さぁ帰ろう、そう思った時、専務から腕を掴まれた。

「何やってんの?帰るよ。一緒に」

「え?え?それはダメですって。バレるじゃないですか」

「秘書を送る、じゃダメなのか?」

専務…
ダメでしょ、秘書が送られちゃ。

「さすがにダメでしょ?室長の目が光ってますよ」

「そうか、じゃ…」

そうか、と言いながら専務は私の腕を掴んだままエレベーターに向かって行った。

「あ、あの、専務?聞いてますか?」

「仕事だよ、秘書は同行するだろ?」

「し、仕事?スケジュールにはないですよ?」

「…あるんだよ。来て」

半ば強引に、専務の車に乗せられていた。


< 141 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop