once again
少しして兄と瑠璃が戻ってきた。

「涼香、今すぐ如月を辞めろ」

「え?ええ?な、なんで…」

「当たり前じゃない。涼香、兄さん怒ってるのよ。妹を泣かしたって」

「悪いが、このままだと、俺は如月を潰してしまうぞ」

怒ってる、兄さんが…

「待って、兄さん。瑠璃も、あれから状況が変わったの…」

そして、二人に今日起きた事を伝えた。

………なんで、黙ってるの二人とも…

「それでいいのか?お前は」

「う、うん。私も悪いんだし…」

「それなら、何も言わない。男して、まだ見込みがあるやつだな、そいつ」

ホッ、よかった。
兄が潰すなんて、言ったらやりかねないだけに、焦った。

「涼香、いつの間にそんな事になってたのよ。早く教えてよ!」

いや、今日だし。

「じゃ、あの話進めるよ」

兄が急に真剣な表情で話をし出した。

「何を?」
「何が?」

私と瑠璃が聞いた。

「如月と話が出てるんだよ、業務提携の話が…」

「…え?嘘!」

「お前は知らないんじゃないか、専務が極秘に動いてるって言ってたからな…」

「…そうなんだ…」

「その室長ってのも知らないはずだぞ?いつも、一人でウチに来てたからな」

「って、兄さん、れ、専務と会ったの?」

「いや、俺はまだ会ってないよ。田中常務と中岡専務が話を聞いてるみたいで、是非話を聞いて欲しいって言われてたんだ。さっき瑠璃から話聞いた時に、なくしてやる!って思ったんだがな、まだ見込みがあるみたいだから、話は聞くよ」

「いや、兄さん。女の事で仕事決めるのはどうかと…」

「バカか、お前。女の事って言うけどな、一人の人を幸せに出来ない男が仕事が出来る訳ないだろ」

い、いや、そうなのかな…

「それと、如月の社長引退するらしいぞ。それは直に社長に聞いたからな。息子に代替えするって」

「ええ!それって最近の話?」

「ん?あぁ、昨日な話があったんだよ」

社長が引退。
じゃ、専務である蓮さんが社長か…

知ってるのかな…蓮さん。

あ、電話!
慌ててベッドから、降りようとした私を兄が止めた。
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