once again
疑問に思っていた俺は、匠に揺さぶりをかけてみた。

あの日、ラウンジで飲んでいたが、バーテンダーから、モデルのRURIが来ていて、連れの女性が騒いでる間に俺は先に帰ったと聞いたんだが?いつ夏帆さんと俺は合流したんだ?と匠に疑問を投げかけた。

匠は慌てる様子もなく、そんな事俺が知るか、と。
俺が知ってるのは、朝、夏帆さんから電話がかかってきた、お前が寝ている間に慌てて出てきたと。そこからは、お前と話してたじゃないか、やった事に責任持てよな、と。

やっぱり…

俺が寝ている間に、部屋を出たなんて…
シャワーを浴びてる時に、彼女はいなくなっていた。目が覚めた時は俺に背を向け寝ていたんだ。
そう、長い髪が印象的だった。
その髪をかきあげた時に、耳の後ろに…

あと少しで何か思い出しそうだった。

「で、どうするんだ?蓮」

「…何がだ?」

「何がだ?じゃないだろ?結婚の話しに行くんだろ?」

「ん、あぁ…」

「早く決着つけろよ。長引かせんなよ」

「……分かってるよ。それより、秘書課の処分はどうなったんだ?」

「あぁ、異動と配置換えだな。もう終わってるよ。人員が減ったから少し大変だがな」

「分かった」

何かが、胸の奥で引っかかっていた。
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