once again
「え?園田、そんな話があったのか?誰と結婚するって言ってたんだ?」
兄が食いついた。
兄にはあの日の事は言ってなかった…追求されて、いつも冷静な園田さんも、慌てていた。
「い、いえ、それは…」
「高瀬社長はご存知じゃなかったんですか?専務秘書の高瀬とですよ?私はそう本人から聞きましたが?」
室長…
余計な事を…
困って固まっている私に向けて、兄は続けた。
「ほぅ、そちらの秘書の方と園田が…初耳ですよ。そうだったら話してくれないと困るじゃないか、園田」
「い、いえ、そんな訳ないじゃないですか、社長!」
そのやり取りを聞いていた蓮さんも口を挟んできた。
「違うんですか?私もそうだと、今思ったんですが…」
「いえ、違いますよ。私が言ってる個人的な事とは、あなたとの事ですよ、如月専務」
兄が不敵な笑みを浮かべた。
「私?私と誰の事ですか?」
蓮さんも、なんの事だか分からない様子で、兄さんに聞き返した。
「…も、もういいです。専務、ここからは私が話します」
「高瀬、君が割っていい話じゃ…」
「いや、聞かせてくれ。秘書の君の話を…」
室長が止めようとした、私の話を兄が遮った。
取り引きをしようとしている会社の社長から、口を挟まれ室長もそれ以上は何も言えないでいた。
「専務、誰との事を?と聞かれましたが、兄が言っているのは、私と専務の話なんです」
「え?い、今なんて…」
「黙っていましたが、私、高瀬涼香はSEIWADOの高瀬悠貴社長の妹です。そして、SEIWADOの元取締役でした」
蓮さんも室長も、何も言えないでいた。
兄が食いついた。
兄にはあの日の事は言ってなかった…追求されて、いつも冷静な園田さんも、慌てていた。
「い、いえ、それは…」
「高瀬社長はご存知じゃなかったんですか?専務秘書の高瀬とですよ?私はそう本人から聞きましたが?」
室長…
余計な事を…
困って固まっている私に向けて、兄は続けた。
「ほぅ、そちらの秘書の方と園田が…初耳ですよ。そうだったら話してくれないと困るじゃないか、園田」
「い、いえ、そんな訳ないじゃないですか、社長!」
そのやり取りを聞いていた蓮さんも口を挟んできた。
「違うんですか?私もそうだと、今思ったんですが…」
「いえ、違いますよ。私が言ってる個人的な事とは、あなたとの事ですよ、如月専務」
兄が不敵な笑みを浮かべた。
「私?私と誰の事ですか?」
蓮さんも、なんの事だか分からない様子で、兄さんに聞き返した。
「…も、もういいです。専務、ここからは私が話します」
「高瀬、君が割っていい話じゃ…」
「いや、聞かせてくれ。秘書の君の話を…」
室長が止めようとした、私の話を兄が遮った。
取り引きをしようとしている会社の社長から、口を挟まれ室長もそれ以上は何も言えないでいた。
「専務、誰との事を?と聞かれましたが、兄が言っているのは、私と専務の話なんです」
「え?い、今なんて…」
「黙っていましたが、私、高瀬涼香はSEIWADOの高瀬悠貴社長の妹です。そして、SEIWADOの元取締役でした」
蓮さんも室長も、何も言えないでいた。