once again
「収まる所に、収まってよかった。涼香、もう一つ隠してる事ってなんだい?もうこれ以上、驚く事もないだろうけど。気になって仕方ないよ」

ドキッ

「…え?な、なんで、今それを…」

慌てる私に、室長も重ねてきた。

「それは私も気になるな…、高瀬。俺も一緒に聞いていいのかな?」

「えぇ!そ、それは…」

「匠、そこは普通遠慮するもんだろ?俺だけの権利だろ?」

「いや、蓮。そこは引けないなぁ…」

「な、お前なぁ…」

「…で?」
「…で?」

二人から迫られた。

「あ、いや、あの…その。後でって言ったじゃないですか?」

後がないと、思った私はその場から逃げた。

「……し、失礼しますっ」

心の準備が出来ていない上に、イケメン二人の圧力って。
凄すぎるって!

専務室を出た私はトイレに駆け込んでいた。


トイレの中で、一人呟いていた。

「私、RURIの双子の妹なんです」

って、言ったらいいのかな、改まって言うのが恥ずかしい。
かなり、恥ずかしい…

うーん。
どうしよう。絶対、蓮さん凄い事を隠してると思ってるはず。

♪♪♪♪♪♪♪

一人トイレで唸っていると、持っていた携帯が鳴った。

「っ、もしもし?瑠璃?どうしたの?」

瑠璃からだった。

「大丈夫だったのかなぁって、兄さんは帰ってきたけど、何にも教えてくれないし、園田さんは楽しかったですよ、って言うだけだし。涼香、大丈夫?」

園田さん、楽しかったって…
あの人の言いそうな事だな。って、感心してる場合じゃないな…

「ん、大丈夫だったよ。ちゃんとSEIWADOの話はしたから。ただね、瑠璃の事まだ言えてないんだ…姉妹だって」

「えー!別に言う必要あるの?それ。紹介する時でいいんじゃない?私、モデル辞めるし」

「…っ、え?や、辞めるの?」

辞めると聞いて、持っていた携帯を落としそうになる。

「あはは。何びっくりしてんのよ。結婚したらモデルどうするの?って聞いてたの涼香でしょ?私は辞める事にしたの。怜の仕事の邪魔はしたくないし、家にいたいじゃない?ほら、料理とかしてさ」

瑠璃…

「そっか…結論出したんだ…」

「そ。だから、わざわざ言う必要もないんじゃない?涼香がさ、モデルやってたんなら言わなきゃ、ね?でも姉が、でしょ?何かの話の中で言えばいいんじゃない?私はそう思うよ。あのさ、涼香」

「なに?」

いつにもなく、瑠璃の声のトーンが下がっていた。
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