once again
「蓮さん…っ」

「涼香、これで全部だね?」

私は頷くしか出来なかった。
そして、泣いている私を蓮さんは力強く抱きしめてくれた。

「結婚しよう」

「え?け、けっ…」

「俺と結婚してくれ。幸せにする、誰よりも」

「……れ、蓮さん…」

「返事は?」

「うっ、…お願いします…」

会社だという事も忘れて、お互いの唇を貪りあった。

「……はぁ…」

「涼香、今日は時間いいのか?病院は?」

「後で行く予定…にしてるの」

「じゃ、夜なら空いてるな?俺の家に来いよ?」

私はうんと頷いた。
このままだと、ここで大変な事になるとお互い分かっていたから。
顔が多分真っ赤になっていただろう私に、夜までの我慢なって言った蓮さんは嬉しそうに笑っていた。


私は、眼鏡をはめ、髪を元に戻して専務室を出た。


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