once again
「涼香、来週の日曜日時間ある?二人とも時間がとれそうなんだけど」

そう言って、蓮さんはご両親との顔合わせの時間を取ってくれた。
父も退院して、今は家で安静にしていた。私も蓮さんの秘書として仕事復帰していた事もあって、私の日常も戻ってきていた。
悩む事なく、私は蓮さんに時間はご両親の都合に合わせるから大丈夫と返答した。

蓮さんの父親である、如月社長には数回会った事はあるが、それはあくまで仕事として、社長自身も専務秘書としてしか私と話をしていない。お母様にいたっては、どんな方なのか想像もつかない。
会う前から、こんなに緊張していて大丈夫かな、私。


「涼香?10時に行くって言ったから、大丈夫?」

「……え?あ、大丈夫です。なんだか、会うって決まったら変な緊張が…」

「いつもの君で大丈夫だよ。両親には涼香の事は、実家の事は話していないから…。女性として、どれだけ素晴らしい女(ひと)かは話したけどね」

「な、もう!蓮さん!どんな人か、ってご両親が期待膨らむじゃないですか。がっかりされたら…」

「何言ってるんだよ、俺にはもったいないぐらいだよ。涼香」

「…蓮さん…」

見つめあった私達は、惹きつけられるように唇を重ねようとした…

♪♪♪♪♪♪♪

「蓮…さん、電話…」

「っ、誰だよ…、はい、如月です。え?な、どうして?」

電話に出た蓮さんの顔色が変わっていた。
< 186 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop