once again
「…あ、もしもし…っ、はい、ごめんなさい」

怜さんに蓮さんに連絡した方がいい、と言われて電話をかけた私。
呼び出しコールが一回するかしないかで、電話に出た蓮さんは物凄く焦っているように感じた。

「……もしもし、涼香?ど、どこにいるんだ!ずっと電話してたんだぞ!」

ごめんなさい、と言った私に、怜さんは、任してと電話を変わった。

「もしもし、電話を変わって申し訳ない。瑠璃の婚約者、永山怜と申します。涼香さんは今、私のマンションにいます」

そこまで言った怜さんは、淡々話始めた。

「驚かれるのは、最もだと思います。ええ、多分如月さんも、瑠璃の写真誌の事で、会社に行かれたんですよね?ええ、そうです。こちらでも大騒ぎになってるんですよ。で、大変言いにくいのですが、こちらに来て頂けませんか?私と瑠璃の事も関係する事なので…。ええ、そうです。場所は…」

さすが、弁護士なだけあるな、と感心してしまった。
結構電話口で、蓮さんは混乱してたはずなのに、スマートにここに誘導するなんて…

「涼香さん、すぐに来てくれるみたいですよ。如月さん」

「…は、はぁ…。何か言ってましたか?彼」

「いや、すぐに行きます、とだけ」

「瑠璃!事務所がOK出してきた。段取りさえ取れれば、会見出来る準備にすぐかかるって!」

全てが動き出していた。
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