once again
「……で、なんでお前らだけなんだ?永山さんと如月さんは?」

玄関で兄が仁王立ちしていた。
私と瑠璃は顔を見合わせて

「なんでよ、一緒じゃないとダメだったの?」
「え?一緒って言ってたっけ?」

兄は、はぁ、と大きなため息を吐いた。

「あのな、あの会見の後、こっちに来るからと聞いたら、お互いの相手も一緒だと思うだろ?なんで一人なんだよ」

「いや、後始末してからこっちに来るって…」

「怜もそうよ、やる事があるからって…」

「親父達が待ってるんだよ。二人とちゃんと話がしたいって。まぁ、瑠璃はまだいいだろ、顔合わせしてるんだから、でも涼香はまだだろ?」

「う、うん。そうだったね…」

だからって、仁王立ちで待たなくても…

「まぁまぁいいじゃないの。瑠璃、涼香お疲れ様でした。お茶入れたから、さ、来なさい」

「はーい」
「はい」

母が助け舟を出してくれたおかげで、リビングに行く事が出来た。
兄は、納得いかない顔をしていたけれど。
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