once again
「…何考えてるんだろう、母は」

「いや、何も考えてないんじゃないかな?ここまで来ると。ただ、これがいいって思ってるはず」

母に連れてこられた蓮さんは、まさか結婚前の娘の部屋へ案内するとは思ってなかったみたいで、驚いていた。そこは、私も同じだった。
でも、やっと一緒に居られる事に私は安心していた。
いつもならしないのに、自分から蓮さんに抱きついていた。

「お、おい。涼香」

「ダメ?」

「っ…、そんなん反則だろ。俺を煽ったんだからな、覚悟しろよ」

「え?あっ…」

覚悟しろよ、と言われた瞬間、激しくキスをされた。
呼吸困難になるんじゃないかと思うほどに、激しく口内を貪りあった。
キスだけで私の理性も崩壊しそうだった。膝から崩れそうになる私を腰から支えると、蓮さんはそのまま抱き上げてベッドに連れて行った。

「もう我慢出来ない…いい?」

上から私に覆いかぶさるように、見つめた蓮さんに、バカと小さく呟くと、それが合図だったかのように、着ていたスーツを脱ぎ、ネクタイを外しながら再び唇を重ねてきた。


そして、私は実家だという事を忘れていた。
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