once again
「おはよー、涼香」

「あ、おはよう。瑠璃も今?」

「そう。寝不足よ、涼香もでしょ?一緒の部屋だから…」

瑠璃に、昨日の夜の事を耳打ちされた。

「や、やだ。何言ってんのよ…」

激しかったのね…とそれだけ、何が言いたいのか分かった。
恥ずかしさのあまり顔が、赤くなるのが分かった。

「隣の部屋だから、まる聞こえよ。もうびっくり。まぁ、涼香はそんなに経験ないから声抑えるのって無理よね」

恥ずかしい…
用意されていた朝食を持って部屋に逃げた私。
どうやって、瑠璃や怜さんに顔合わしたらいいんだろう。

「どうした?」

「え?あ、あの…」

「なんか言われたの?」

顔が赤かったのが分かったのか、蓮さんがドアの前で固まっていた私に声をかけてきた。

「昨日の…声が漏れてた見たい」

「ええ!そ、そっか…ごめん」

「な、なんで蓮さんが謝るの?私が悪いのよ…」

「いや、手加減出来なかった俺のせいだろ?ごめんな」

そう言うと、優しく抱きしめてくれた。

「早く家に帰ろうか?」

私は黙って頷いていた。

それから、突っ込まれないように早めに両親に挨拶をして帰ってきた。


家に着き部屋に入った蓮さんは、私を後ろから抱きしめた。
そして、耳元で囁いた。

「明日から大変だぞ。よろしく頼むね、秘書さん」

回った腕に手を重ね、私は「はい」と答えた。
< 220 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop