once again
氷室室長が出て行ってから、少しの間動けなくなってしまっていた私。

ただでさえ、色気がだだ漏れなのに、ポンポンは反則でしょ!
ゆ、揺れる…

頭をブンブンと振っていると、

「何やってるんだ?」

「はっ、如月専務!おはようございますっ、」

「いや、専務でいいよ。なんかあったのか?」

「い、いえっ。変わった事はありませんでしたっ」

いきなり声をかけられて、動揺が…

専務は遠巻きに私を見ながら、自分の部屋に入って行った。私は後を追った。

「昼からの予定は?」

いきなりの仕事モードに入った。

「あ、はい。昼からは、13時から業務推進会議に専務も出席してほしいと、これは氷室室長からの依頼です。15時からAGの名取部長との打ち合わせ、18時にアスランco.の柳井副社長との打ち合わせの後の会食となっております」

すらすらと、噛まずに言えた事に少し安心していた私は、専務の表情が変わった事に気付いていなかった。

「柳井さんとの会食は、場所は決まってるのか?」

「はい、途中まで氷室室長が進めておられた事だったので、確認しました。お店は割烹 棚田 を予約しているとの事です。お店にも確認は入れました。柳井様の苦手な食材等は外すようにと、念押しを昨日の間にしております」

「分かった、仕事進めてくれ」

「はい。何かありましたら、お呼び下さい。失礼いたします」

そう言いながら、部屋を出ようとした時、

「参ったな…」

後ろから、専務がボソッと呟いた。

参ったな?
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