once again

室長の電話が終わった後、私は誰とも話する気がなくなり、携帯の電源を切った。
そのままベッドで横になった。
何も考えたくなかったから…


永遠に来なくていい朝がやってきた。

重い体を起こして思う、私なんでこんなに落ち込んでるんたろう？
専務がお見合いをするという事が、ショックだったんだろうか？

ショック？
私が？
専務との関係なんて、何もないのに？

何度考えても分からない…

室長から、専務に近寄るな、男として見るなと言われ続けて、男としていつの間にか見ていたのだろうか？

如月専務という人を知って、まだ一週間。
好きになれる？
人を好きになるのに、日なんているのだろうか…

答えの出ない、迷路に私は迷い込んでしまっていた。

部屋で悶々となっていた私は、気分転換にと外に出た。
まだ予定の時間には、早すぎる。
悩んでいても、答えなんて見つからない。

エレベーターに乗った私は、地下駐車場に向かい、停めてある自分の車のドアを開けて乗り込んだ。

そう言えば、最近車に乗ってなかったかも。そんな事を思いながら、エンジンをかけて好きな音楽を大音量にしてかけた。

「悩んでいても仕方ないか。さ、ぱーっといこう！」

ハンドルを握り、アクセルを全開にして、地下駐車場から地上に出た。

私の心とは反対とも思えるほど、外は晴天が広がっていた。