恋・愛至上命令。
「瀬里」

静寂を破ったのは、やっぱり晶さんだった。
さらさらと砂の流れる音が遠くから聴こえて。一瞬、目を伏せた。

「あらためて言わせて欲しい。瀬里を愛してる、寂しくなんかさせないよ。俺なら瀬里が望むものをあげられる。俺は瀬里がいてくれるだけでいい。結婚しよう、瀬里を幸せにしたい。それだけなんだ、・・・本当だよ」

儚げに微笑みながら晶さんの口にする愛は。切なく響く。

だけど。
どこか。
その眼差しはわたしを見ているようで。別のなにかを見てる気がした。


凪の。背中が浮かぶ。横顔が、孤独な眼差しが。
愛を決して口にしない凪の。たった一人になれるのもわたしだけ。


「・・・・・・晶さん」

わたしは静かに口を開いた。
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