恋・愛至上命令。
「分かってます」と短く返り、お互いにそれ以上は言わない。
晶さんの気持ちごと、包み込んで胸の奥に仕舞ったのを凪は分かってくれてる。

「・・・頑張りすぎて無理とか怪我しないで。手足の一本失くしたっていいから帰って来るって、約束して」

『・・・案外、信用が無いんですね』

「心配してるって言ってるの!」

思わず頬を膨らませて怒ったように言うと。

『死ぬ時は必ずお嬢の傍で死にます。・・・それ以外の場所で死ぬつもりは毛頭ありませんよ』

低い声だったのに、意思の強さを感じた。

『ですから。・・・・・・泣かずに待ってると約束して下さい』



凪がそれを言ってくれるなんて思ってもなくて。
たぶん気の利くことは言ってもらえないから、自分から言おうって。
だからもう本当に嬉しくて。うれしくて。

二度泣きした。
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