恋・愛至上命令。
会社と家の中間くらいで、パリのオープンカフェ風な店構えのスイーツ店に寄り道をしてもらい。イチジクや洋梨、桃をふんだんに使った期間限定の秋らしいフルーツタルトをホール買いする。
「すみません。バースデイケーキなんです」
“HAPPY BIRTHDAY”とチョコで書いたプレートを乗せ、箱にはリボン。
もうずっと決まり事みたいに毎年、違うお店で選んで。
そう言えば甘いものが得意だったかは、訊いたこと無かった。・・・今更?
本条さんは、紙袋を下げて車に戻ったわたしに何を詮索するわけでもなく。他にもまだ寄るところは無いかと、かえって気を利かせてくれたぐらいだ。
カメラとセンサーに守られたセキュリティー万全の我が家に到着して、車を降りた時。後部ドアを丁寧に閉めた本条さんに、わたしは紙袋を差し出して小さく笑った。
「良かったらこれ、奥さんとお子さんと一緒に」
彼は一瞬、へ?とでも言いたげに表情を崩し、慌てたように真顔になる。
「すみません。バースデイケーキなんです」
“HAPPY BIRTHDAY”とチョコで書いたプレートを乗せ、箱にはリボン。
もうずっと決まり事みたいに毎年、違うお店で選んで。
そう言えば甘いものが得意だったかは、訊いたこと無かった。・・・今更?
本条さんは、紙袋を下げて車に戻ったわたしに何を詮索するわけでもなく。他にもまだ寄るところは無いかと、かえって気を利かせてくれたぐらいだ。
カメラとセンサーに守られたセキュリティー万全の我が家に到着して、車を降りた時。後部ドアを丁寧に閉めた本条さんに、わたしは紙袋を差し出して小さく笑った。
「良かったらこれ、奥さんとお子さんと一緒に」
彼は一瞬、へ?とでも言いたげに表情を崩し、慌てたように真顔になる。