恋・愛至上命令。
結衣子がどんな表情をするのかと少し息を詰めた。
顔色次第で今まで隠してたことを一言謝って、席を立てばいい。口止めする気は無いから、会社に報告されても責めるつもりだってない。

目を丸くした彼女はこっちを凝視して。それからあっさり言った。

「どうもしないよ。それにさ、別に親がどうだからってセリはセリ。で、良くない?」

「・・・いいの?」

拍子抜けしたのはこっちで。

「ふつうは関わりたくないでしょう?」

自嘲気味な笑みを口許に浮かべたわたしに。

「てゆーか、嘘つかないでホントのこと教えてくれた友達を、そんな風に思う女って思われてんの?、あたし」

悪戯っぽく結衣子はしれっと笑った。
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