恋・愛至上命令。
~2~
「春日さん、お先に失礼しまーす」
「お疲れさま」
総務部も井上さんが辞めちゃって、それまで自分が一番歳下だったのが後輩も出来た。
やりかけの仕事だけ片付け、わたしも帰る準備を始める。腕時計を見ると6時13分。急げば26分の電車に間に合いそう。駅までは10分とかからない距離だから。
ロッカールームでコートを羽織りバッグを肩掛けして、ちょうど上から到着したエレベーターで下まで降りた。エントランスの自動ドアを抜けると、外の空気は思ってたより冷たい。
まだ11月に入ったばかりだけど、そろそろ首許が涼しいかな。すくめるようにして濃紺の夜空を見上げた。
それからいつも迎えの車が停まってた場所に一瞬、視線を戻す。ときどき配送の小型車がハザードを点滅させてたりすると、違うのに目が行ったり。身に付いた習慣てなかなか消えない。
足を止めてたことに、はっとして電車の時間が迫ってるのを思い出し。急ぎ足で駅方面へと歩き出したのだった。
「お疲れさま」
総務部も井上さんが辞めちゃって、それまで自分が一番歳下だったのが後輩も出来た。
やりかけの仕事だけ片付け、わたしも帰る準備を始める。腕時計を見ると6時13分。急げば26分の電車に間に合いそう。駅までは10分とかからない距離だから。
ロッカールームでコートを羽織りバッグを肩掛けして、ちょうど上から到着したエレベーターで下まで降りた。エントランスの自動ドアを抜けると、外の空気は思ってたより冷たい。
まだ11月に入ったばかりだけど、そろそろ首許が涼しいかな。すくめるようにして濃紺の夜空を見上げた。
それからいつも迎えの車が停まってた場所に一瞬、視線を戻す。ときどき配送の小型車がハザードを点滅させてたりすると、違うのに目が行ったり。身に付いた習慣てなかなか消えない。
足を止めてたことに、はっとして電車の時間が迫ってるのを思い出し。急ぎ足で駅方面へと歩き出したのだった。