恋・愛至上命令。
「・・・どうして欲しい? 俺はお前の為だけにいる。指一本、血の一滴まで瀬里のものだ。好きに命令していい」

耳許に寄せられた凪の吐息。直接、脳髄にうねった声。まるで痺れ毒に冒されてくみたいに。動けない。

「何を答えて欲しい? ・・・言ってみろ」

4つ目は、凪から静かに下される絶対の命令。抗う意思なんて無い。まるで糸で繰(く)られた人形のように、唇から言葉が零れ落ちる。

「・・・・・・好きって。・・・言って」

何だかもう。内側に溢れて膨れ上がったものが、今にも爆ぜそうだった。
灼けつきそうな愛おしさに全身が焦がされてく。

「わたしだけを一生愛して、わたしと結婚して・・・っ」

ただこの答えを手に入れたかったから、この三年を越えられた。
それ以外の未来なんて要らなかったから。ただその一心だった。

「凪を必ず幸せにするって約束するから」

凪の首に腕を回して自分からぎゅっと抱き付く。きつく目を瞑り全霊を込めた。

「答えて。凪・・・!」
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