恋・愛至上命令。
違う泣かせ方で夜通し泣かされて。
初めて凪の隣りで目覚めた朝は。これ以上ないってくらいの充足感と、甘い気怠さの波間にゆらゆらと漂っていた。

こっちに体ごと向けて、穏やかな寝息を立ててる凪を。すごく透明な気持ちで見つめてる自分がいる。

わたしと凪の間に横たわってたひびの入ったガラスの壁も。綺麗に砕けて今はもう何も遮るものがないから。これからはもっと素直に凪を想えたらいい。

時に諍いがあっても逃げたりしないで、手を差し出せば必ず届くって。忘れたくない。
・・・・・・束の間よぎった、優しかったあのひとの微笑みを。胸の奥の引き出しに静かに仕舞い込んで。

そっと凪の頬に手を伸ばす。
“答え”はもらって終わりじゃない。

ここからも手探りなんだろう。出した答えの行方を追いかけながら。
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