恋・愛至上命令。
「貯まってた分の凪の誕生日祝いと、引っ越し祝いと、あとは・・・お父さんが結婚ゆるしてくれたのと。せんぶ一緒の乾杯でいい?」
瀬里が嬉しそうに言い、凪も頷き返してシャンパングラスを合わせる。
「まとめて『おめでとう』、凪。・・・今年はちゃんとプレゼントも渡そうと思って」
照れたように笑みで、テーブルの足許に隠してあった長細い高級ブランドのショップバッグを取り、凪に手渡す。
「やっぱり普段から使って欲しいものって考えると、決まっちゃうんだけど」
平べったい箱の形状からしてネクタイだろう。凪は目を細めてそれを受け取り、瀬里を見やった。
「・・・開けてもいいか」
包装を出来るだけ丁寧に解き蓋を開けば、紺、グレー、ダークグレー三色のシックで上品な、斜めストライプ柄のネクタイが綺麗に収まっていた。
いつも黒か濃紺の無地が多いことも瀬里は知っているが、たまには装いを変えてみてもいいいんじゃないかと、敢えて選んだのだった。
凪が和らげた眼差しで「大事にする」と目礼したのを、ほっとしたように破顔する。
相手が喜びそうなものを悩みに悩んで、誕生日にプレゼントする。こんな些細なことさえ初めての二人だった。
瀬里が嬉しそうに言い、凪も頷き返してシャンパングラスを合わせる。
「まとめて『おめでとう』、凪。・・・今年はちゃんとプレゼントも渡そうと思って」
照れたように笑みで、テーブルの足許に隠してあった長細い高級ブランドのショップバッグを取り、凪に手渡す。
「やっぱり普段から使って欲しいものって考えると、決まっちゃうんだけど」
平べったい箱の形状からしてネクタイだろう。凪は目を細めてそれを受け取り、瀬里を見やった。
「・・・開けてもいいか」
包装を出来るだけ丁寧に解き蓋を開けば、紺、グレー、ダークグレー三色のシックで上品な、斜めストライプ柄のネクタイが綺麗に収まっていた。
いつも黒か濃紺の無地が多いことも瀬里は知っているが、たまには装いを変えてみてもいいいんじゃないかと、敢えて選んだのだった。
凪が和らげた眼差しで「大事にする」と目礼したのを、ほっとしたように破顔する。
相手が喜びそうなものを悩みに悩んで、誕生日にプレゼントする。こんな些細なことさえ初めての二人だった。