恋・愛至上命令。
でも、あれから。凪のわたしを見る眼が変わったのは気のせいじゃないと思う。必要以上の会話にならないのは変わらなかったけど、冷めきってるんじゃなくて冷静で落ち着いた色になった。
真っ直ぐな視線で。・・・わたしを見てくれるようになった、いつしか。






来月の12日は凪の29回目の誕生日。・・・・・・去年の誕生日から、わたしの中で何かが止まってしまってる。

・・・・・・凪がそうしたのに。今度は、アキラさんのことまで口出しするの? 放っておいてよ。凪に言われたくなんかない・・・!


「・・・何なのよ、もう」

「どっか、間違ってた?!」

向かいの井上さんが、ぎょっとしてこっちを見てた。
ニッコリ笑って、首を振っておいた。




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