恋・愛至上命令。
3-3
短大の時。サークルで知り合った先輩と付き合った。告白されて悪い気がしなかったのと、付き合うって未知の体験への好奇心もあって。
ファーストキスも、・・・その先の全部がもちろん初めてだった。割りと女性慣れしてた先輩には優しくしてもらえたし、浮かれる気持ちとか、くすぐったいようなトキメキとか。それなりに恋をしてたと思う。
でもいつしか気が付いた。
デートのたびに凪の反応を探ってる自分に。
今日は遅くなるって告げた時の凪の表情や。かかってきた電話をわざと楽し気に見せつけたり。
自分の役割に徹してる凪の、そのポーカーフェイスをどうにか崩せないかって。
わたしを気にして?
わたしを見て!
他の誰かといるわたしに何も感じないの?!
凪はわたしのもの。わたしにしか見せない顔を見せて。
それは子供じみた占有欲だったかも知れない。
でも。
凪に自分を欲しがらせたいって欲求は。愛欲でしかなかった。もう。