君を借りてもいいですか?
そして結婚披露宴が始まった。

圭子は主賓のあいさつ中も関係なく、さっきのイケメンの話に夢中だ。

恵梨香も少し離れた場所に座っているあのイケメンを見るなり「栞には勿体無い」を連呼。

だからそんなのじゃないっていうの。

圭子と恵梨香があのイケメンで盛り上がっている中、主賓のあいさつ、乾杯、ウェディングケーキ入刀と披露宴は進む。

そしてゲストのスピーチであのイケメンが登場。

そこで彼と新郎との関係が明らかになった。

彼の名は「白石湊人(しらいしみなと)28歳。白石通商に勤務しているらしい。

新郎との関係は新郎が中3の時からの家庭教師で自分には姉しかいないので新郎を弟のように可愛がっていたってことをスピーチしていたが、周りの反応をみると完全に主役を奪った感が半端なかった。

中世の王子様より現代のイケメンの圧勝だった。

でも理由はルックスだけではない。

白石通商といえば欧米諸国の織物、衣類、服飾雑貨の輸入および国内での販売。日本製の織物などの輸出、海外ブランドのマーケティングを行っている大手貿易会社だ。

苗字も社名も同じなら彼の家柄は自ずとわかる。見た目も家柄もパーフェクト。独身女性が黙っちゃいないだろう。

いや、既婚女性すら目をハートにさせている。

完全に主役を奪った形になってしまったようだ。
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