君を借りてもいいですか?
お手洗いから出るとなんだか余興で盛り上がっている声が漏れ聞こえてきた。
だけどなんとなく戻るのが億劫で、私は会場には戻らず近くにあった椅子に腰をおろした。
毎回思うが、結婚式というのは疲れる。
みんな人の結婚を見て感動してもらい泣きして、羨ましがって、結婚願望が強くなるみたいだけど、私はどこか冷めているのか、はたまた冷たい人間なのか花嫁を見て綺麗だと思っても、早くウェディングドレスや白無垢を着てみたいと思ったことが一度もない。
きっと人を本気で好きになったことがないからなのかもしれない。
……にしても圭子の男の人を見繕うってあれ、本気だったらどうしよう。
全身にどっと疲れが襲って来てガクッと肩を落とした。とそのときだった。
「織田さん」
不意に名前を呼ばれ、顔をあげるとそこにいたのはハイスペック白石さんだった。
「え?なんで私の名前を?」
「なんでってさっき、余興の時に自己紹介してたでしょ?」
「…あっ!そっか〜」
余興のことすら忘れてしまっていた。ダメだな〜
「でも顔に出てましたよ。面倒臭い〜って顔」
白石さんは私が歌っている時の表情を真似した。
「えええ?!」
だけどなんとなく戻るのが億劫で、私は会場には戻らず近くにあった椅子に腰をおろした。
毎回思うが、結婚式というのは疲れる。
みんな人の結婚を見て感動してもらい泣きして、羨ましがって、結婚願望が強くなるみたいだけど、私はどこか冷めているのか、はたまた冷たい人間なのか花嫁を見て綺麗だと思っても、早くウェディングドレスや白無垢を着てみたいと思ったことが一度もない。
きっと人を本気で好きになったことがないからなのかもしれない。
……にしても圭子の男の人を見繕うってあれ、本気だったらどうしよう。
全身にどっと疲れが襲って来てガクッと肩を落とした。とそのときだった。
「織田さん」
不意に名前を呼ばれ、顔をあげるとそこにいたのはハイスペック白石さんだった。
「え?なんで私の名前を?」
「なんでってさっき、余興の時に自己紹介してたでしょ?」
「…あっ!そっか〜」
余興のことすら忘れてしまっていた。ダメだな〜
「でも顔に出てましたよ。面倒臭い〜って顔」
白石さんは私が歌っている時の表情を真似した。
「えええ?!」