君を借りてもいいですか？
仕事が終わると私は真っ先に亜矢にLINEを送った。

するとすぐに電話が来た。

私は白石さんとのことと圭子のことを話す。

『ちょっと何？その面白い話。仕事切り上げて今からしおりの家に行くから待ってて』

と予想外の言葉が返ってくる。しかも声を弾ませていた。

でも今頼れるのは亜矢だけ。私よりいろんな経験をしている亜矢だからこそのアドバイスを期待し、急いで家に帰ると亜矢が来るのを待った。

帰宅して１時間後、亜矢は両手に買い物袋を持ってやって来た。

「なんかすごいことになってんじゃん。詳しく教えてよ〜〜」

私は初めて白石さんに会ってから今日までのことを話し、さらに圭子が私にと男の人を紹介してくれることになったことを亜矢に話した。

亜矢は腕組みしながら何度も頷き私の話を聞いてくれた。そして話が終わると真剣な眼差しを向け、
「栞の話はわかった。だったらその白石さんの話は受けて、お友達の紹介は断りな」と言い切った。

「はあ？」

思いもしなかった亜矢の提案にあいた口が塞がらなかった。
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