君を借りてもいいですか?
亜矢から連絡が来たのは二日後だった。

『編集長からOKもらったよ!』

「マジで?」

亜矢と飲んで一夜が明け、改めて考えてみたが、正直言ってこんな企画通ると思えなかった。

『面白そうじゃん!って言ってくれて……ファッション誌だからそんなに大々的ではないけどね。スペース作るって!それで相談なんだけど白石さんと連絡とってくれない?』

「え?」

『だから、栞たちが偽の恋人にならなきゃこの企画進まないから、偽の恋人になることを承諾して。タイミングが合えば来月号から連載開始するから!』

電話越しからハイテンションな亜矢の声。私はその真逆。

偽の恋人だなんて変な頼みごとをされて、亜矢に相談したらまさかこんな展開になるとは誰が予測しただろうか…

そして亜矢は白石さんと会うときは必ずレポートを書くようにと私に宿題を出した。

『簡単でいいのよ。朝どこどこに行ったとか、どこどこでご飯を食べたとか、こんなことがあったとか
箇条書きでいいから書いて」

「はあ…」
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